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田辺聖子文学館で特別企画展「聖子とすず」 「この世界の片隅に」複製原画も

第11回特別企画展「聖子とすず」

第11回特別企画展「聖子とすず」

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 大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館(東大阪市菱屋西4、TEL 06-6723-8182)で10月21日、第11回特別企画展「聖子とすず」が始まった。

「この世界の片隅に」単行本カバー複製原画

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 樟蔭学園創立100周年記念と文学館開館10周年記念の企画展として、作家の田辺聖子さんが樟蔭女子専門学校に在籍した時代の作品を集めた展示にしようと企画。学芸員の住友元美さんは昨年末、話題になっていた映画「この世界の片隅に」を鑑賞した際、「いわゆる戦争映画ではなく、国内で普通の人が経験した戦争や、その時代を懸命に生きる若い女性の日常を描いていて、田辺さんの作品と世界観が似ていると感じた」と言い、原作の参考文献を確認したところ「欲しがりません勝つまでは」が挙がっていたことから、2つの作品を中心とする展示とした。

 同展では、1941(昭和16)年から終戦まで、13歳~17歳の田辺さんが過ごした戦時下の学生生活や学徒勤労動員、空襲、終戦を描いた「欲しがりません勝つまでは」(ポプラ社1977年)初版本や新装文庫本、大正末に広島で生まれ、18歳で呉に嫁いだ「すず」を主人公として描いた、こうの史代さんの作品「この世界の片隅に」(双葉社2008年)単行本カバー複製原画などを展示。

 会場では、田辺さんが高等女学校3年生の頃に書いた長編創作小説「春秋蒙古史」のノートや、「欲しがりません勝つまでは」にも登場する、高等女学校4年生の時に書いた小説「ドイツ魂物語 光と共に」のノート、終戦後に書かれた作文「日本的死生観に対する否定に就いて」などを展示。「この世界の片隅に」に関連するものでは、すずがスケッチブックを購入し、広島の街を描くシーンや、すずが玉音放送を聞いて敗戦を知るシーンなどの複製原画を集めた。

 関連イベントとして10月25日、11月10日には、学芸員が展示解説するギャラリートーク、11月3日には記念講演会を開催。講演会の参加には事前の申し込みが必要。参加無料。

 開館時間は9時~16時30分。日曜・祝日・大学休業日は休館。入場無料。11月25日まで。

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