見る・遊ぶ 学ぶ・知る

東大阪で写真家・星野道夫特別展 アラスカの自然や動物など250点

「夕暮れの極北の河を渡るカリブー」「草むらに潜むグリズリー」

「夕暮れの極北の河を渡るカリブー」「草むらに潜むグリズリー」

  • 24

  •  

 東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で2月1日、「没後20年 特別展 星野道夫の旅」が始まった。

ホッキョクグマやタテゴトアザラシ

[広告]

 星野さんは1952(昭和27)年、千葉県市川市生まれ。慶應義塾大学在学中に古書店で見たアラスカの写真集に心を奪われ、アラスカ・シシュマレフ村でエスキモーの家族と一夏を過ごした。卒業後は写真家のアシスタントとして2年勤めたのち、「アラスカの存在が大きく、アラスカとどうやったら深く関われるか」と考え、1978(昭和53)年にアラスカ大学 野生動物管理学部に入学し、以後、アラスカに拠点を移した。

 アラスカでは自然風景や動物、現地で暮らす人々を撮影し、「アニマ」「週刊朝日」「家庭画報」など国内誌をはじめ、「National Geographic」など海外の雑誌にも作品を発表。1986(昭和61)年に第3回アニマ賞、1990年に第15回木村伊兵衛写真賞を受賞。1996年8月8日、ロシア・カムチャツカ半島でテレビ番組の取材中、ヒグマの事故により43歳で急逝した。

 第1・2展示室には、カリブーやグリズリー、ホッキョクグマ、ザトウクジラ、タテゴトアザラシなど、自然の中で暮らす動物たちの写真が並ぶ。星野道夫さんの妻の直子さんは「動物たちの表情が自然で、同じ目線、同じ時間で撮られたことが感じられる」と言い、星野さんは風景の中に動物がいる、引きの写真の空気や光、風が好きだったと話す。取材に同行した際には「ファインダーをのぞいてみると同じ風景を見ているはずが違って、こうやって1枚ずつ切り取っているんだと思った」と振り返る。

 自然で暮らす動物のほか、ネズミが穴に貯めているエスキモーポテトと呼ばれる植物の根を取り、代わりにドライフィッシュを入れる女性の姿や、ホッキョクグマの革を干しているシーンなど、動物と人が関わりあっていることを伝える写真や、ワタリガラスの神話を求めて撮影したトーテムポールや現地で暮らす人、ポイントホープ村のクジラ漁などの写真を展示する。

 第3展示室には、星野さんのポートレートや、カメラ、万年筆などの愛用品、撮影場所までの移動に使っていたカヤックなどとともに、フィルムをライトテーブルで見るコーナーも設ける。

 直子さんは「カリブーを一番のテーマにしていたが、晩年は自然と人々との関わりを撮影していた。アラスカはただ遠いところではなく、アラスカの人々の生活があり、日本で暮らしている私たちと関わっている。これからを担う若い人にも見ていただき何かを感じ取っていただけたら」と話す。

 開館時間は10時~17時。月曜休館(2月12日・13日は開館)。入場料は、一般=500円、中学生以下、65歳以上無料。3月4日まで。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース