近畿大学(東大阪市小若江3)が3月29日、AIがSNSの投稿内容を分析し、その人の「潜在的興味に一番合致する本」を紹介するスマートフォン用アプリをリリースした。
東大阪キャンパス内に昨年開設したアカデミックシアターには、編集工学研究所所長の松岡正剛さんをスーパーバイザーに招き、独自の図書分類で約7万冊の書籍を配架した図書館スペース「ビブリオシアター」を備える。
同施設では昨年6月、SNSの投稿から利用者の性格を分析して潜在意識が求める本を紹介する書籍診断コンテンツをウェブサイト上で公開。同コンテンツは、「開放性」「誠実性」「外向性」「調和性」「神経症傾向」の5つの特定因子で性格の特徴を表す、アメリカの心理学者・ゴールドバーグが提唱する「ビッグファイブ理論」に基づき本と学生をマッチングするもので、多くのメディアでも取り上げられ、これまでに約8万人が利用した。
今回リリースしたアプリ「近畿大学アカデミックシアター 公式アプリ」は、同コンテンツを進化させたもの。アプリをダウンロードし、「診断コンテンツ」から「偶発的な本との出会いを体感する」を選択し、ツイッターかフェイスブックを選んで連携すると、同大独自のAIが過去の投稿から性格を分析し、結果を表示。その結果に基づき、同施設に配架する書籍7万冊の中から適合する本を提示する。診断結果から関連書籍に進みジャンルを選択すると、複数の「自分と似た性格の本」を検索することができる。
アカデミックシアター事務室室長の岡友美子さんは「アカデミックシアターは、学生が人と本を通じて新しい出合い、気づきを感じ、知的好奇心を揺り動かすことができる場所。アカデミックシアターに来なくても、アプリを利用することで本棚をのぞいたり、診断コンテンツで新たな本の出合いを体感してみたりすることができるので、偶然の出合いを体感してほしい」と話す。
アプリはiOS、Android対応。利用無料。一般利用も可能。SNSのアカウントがない場合は、「キャラクター診断シート」の質問に回答することで利用できる。