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東大阪・小阪の老舗洋食店「レストラン酔牛亭」閉店へ 54年の歴史に幕

「レストラン酔牛亭」店舗外観

「レストラン酔牛亭」店舗外観

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 近鉄奈良線・河内小阪駅近くの洋食店「レストラン酔牛亭(すいぎゅうてい)」(東大阪市小阪1、TEL 06-6788-1981)が12月30日、54年の歴史に幕を下ろす。

店主の山本久嗣さん

 同店の前身は、現店主・山本久嗣さんの祖父が戦前に和歌山市内で開いたレストラン。第二次世界大戦中に疎開道路建設のため立ち退き、戦後再び祖父母が小さい店を始めた。山本さんの父もその店で手伝っていたが、店での仕事や兄弟の面倒など働き詰めだったことが嫌で、1950(昭和25)年、単身で大阪に出てバーテンダーの職に就いた。1960(昭和35)年ごろには大阪・ミナミでスナックを経営して資金をため、1964(昭和39)年、河内小阪駅南側に「酔牛亭」を開店した。

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 当時はカウンターがメインの店で、「焼き鳥なども出す居酒屋スタイルの店だった」と山本さん。山本さんは店を継ぐつもりはなく、プラモデルなど物を作ることが好きだったことから専門学校に入学し、20歳で歯科技工士になった。歯科医院に勤めていたが、当時の歯科技工士は体を悪くする人が多く、料理を作るのが好きだった山本さんは歯科医院を辞めて父の店で働くようになり、2004年の代替わりに伴い、現在の場所に店を移した。

 15坪の店内に22席を設ける同店では、ひな鳥の手羽にショウガを利かせた衣を薄くまぶし、天然塩と京都の専門店から仕入れる山椒(さんしょう)をブレンドしたオリジナルスパイスで味付けした「雛鳥手羽唐揚げ」(486円)が名物。エビフライ(2,052円)やクラムチャウダー(540円)、自家製ドレッシングのスペシャルサラダ(1,296円)などが人気で、3世代家族やカップルなどでにぎわいを見せていた。

 しかし時代は変化し、週末は席が埋まるものの平日は徐々に客足が遠のいてきたこともあり、「娘も20歳になったし、両親の介護も必要になった。これからは両親と一緒に住もう」と閉店を決意。今月5日にSNSで閉店することを伝えると、その日に店を訪れた常連客もおり、「それから5回ぐらい来てくれている常連もいる」という。当初は28日に閉店する予定だったが、常連客からの言葉で30日まで延長することにした。

 山本さんは「精一杯売り切れを出さないようギリギリまでさせてもらって、ありがとうとあいさつさせてもらいたい」と話す。

 営業時間は17時~21時。電話とウェブで予約可能。メニューは持ち帰りもできる(電話予約が必要)。

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