国指定史跡・重要文化財の鴻池新田会所(東大阪市鴻池元町、TEL 06-6745-6409)乾蔵で1月9日、鴻池家寄贈民具展「むかしの道具いろいろ」が始まった。
地域の小学3年生が学習する社会の授業の内容に合わせ、毎年この時期に開催する同展示。江戸時代の豪商・鴻池家と鴻池新田会所で江戸時代の終わりごろから昭和までに使われていた道具約60点を展示する。
今年の展示では、昭和時代に使われていた上皿竿(うわざらさお)はかりと米、5合と1升の升を用意し、昔の道具で米の重さを量るハンズオンコーナーを設置。一般の見学・体験も可能。蔵から行火(あんか)が複数見つかったことから、木炭や炭団(たどん)を入れて使う行火や置きこたつ、豆炭を入れて使う豆炭行火など、江戸時代から昭和に使われていた暖房の道具を追加展示する。
会場内には、明治から昭和に使われていた火鉢や明治政府が出した高札(こうさつ)、大正時代のアンソニー式写真機、ぼんぼりやちょうちんなどの照明類、明治時代の人力車、江戸時代の嫁入り籠などが並ぶ。11代当主の鴻池善右衛門幸方は趣味写真家だったことから、暗箱やレンズ、ガラス乾板写真なども残っている。
学芸員の別所秀高さんは「見学で来る小学生はこの時代のカメラやラジオ、蓄音機、電話交換機などは見たことがなく、どのように使うのか分からず不思議そうに見ている。今は全てスマホ1台でできると説明すると驚いている」と話す。
開館時間は10時~16時。入館料は、大人=300円、小・中学生=200円。月曜・祝日の翌日休館。2月28日まで。