南海電気鉄道株式会社(社長:岡嶋 信行、以下「南海電鉄」)では、創業140周年を迎えるにあたり、4月1日からリニューアルする運輸部門(約2,000名)の制服と、本年夏ごろに導入予定の技術部門(鉄道・不動産 約750名)の作業服のデザインを発表いたしました。
難波駅での新制服お披露目会
鈴木 砂羽さん一日駅長 特急ラピート出発式
南海電鉄沿線の大阪府岸和田市出身で「大阪・関西万博2025」のシニアアドバイザーを務め、世界的に活躍するコシノジュンコさんに依頼した本デザインは、これまでのディープネイビーを基調としたデザインから、チャコールグレーを基調とし、ブランドカラーをアクセントに取り入れたフォーマルなデザインに一新することで、「安全・安心の変わらない伝統は守りつつ、次代の新しい感性・ニーズを先取りしながら挑戦し続けることで、誰もが心地よい'なんかいいね'があふれる企業でありたい」という思いを込めました。さらにジェンダー(性別)による差異をなくし、ワンタッチで着脱可能なネクタイを採用。使用後の制服を回収し、アップサイクルを行う仕組みも検討しています。
代表取締役社長 岡嶋 信行 コメント 南海電鉄にとって、2025年度は創業140周年、泉北高速鉄道の統合、大阪・関西万博の開催、さらに2026年度には鉄道事業分社化を控えるなど、大きな変革の時期となります。また、2031年にはなにわ筋線の開業も見据えています。これまで南海電鉄のイメージを司ってきた制服を刷新することで、これまで築き上げてきた140年の歴史に誇りを持ちながらも、新たな気持ちで、沿線の皆さま、大阪・関西万博をはじめとする関西にお越しのすべての皆さまをお出迎えします。
今後も当社グループでは、進取のDNAを未来へとつなぎ、お客さまのニーズに応え、時代をリードする新たな価値を創り続けてまいります。
1.新制服の概要
(1)導入時期
運輸部門:2025年4月1日 技術部門:2025年夏ごろ
(2)対象
駅係員・運転士・車掌といった、運輸部門の従業員(約2,000名)
工務・電気・車両・不動産施設といった、技術部門の従業員(約750名)
(3)コシノジュンコさんによるデザインコンセプト
【“UNITY” 結ぶ力・団結】
“UNIFORM”の原点、同じ衣装を纏い一致団結する力は、今以上の力を発揮しチームとしての喜
び、プライド、伝統として広がっていきます。
◆信頼性 公共交通を担う、信頼・安心につながるフォーマルなデザイン
◆伝統・歴史 南海らしく、地域に馴染むデザイン
◆国際性 海外のお客さまが見て、鉄道会社の職員だとすぐにわかるデザイン
◆話題性 ベーシックな色の中にブランドカラーの対比で遊びのあるデザイン
◆将来性 10年先、20年先でも時代を感じさせないシンプルなデザイン
(4)特徴
ジェンダーレスで男女の区別のないデザインを採用しました。従業員の意見も採用し、快適で動きやすく、 手入れしやすい仕様や素材を取り入れました。生地は、植物由来の再生資源(サトウキビ廃糖蜜)を粗原料の一部とした東レ株式会社の「エコディア(R)PET」(植物由来原料割合:約30%)を使用し、使用後の制服はアップサイクルする予定です。
1. ジェンダーレス
運輸部門の旧制服では、女性はリボンを採用していましたが、今回はネクタイを取り入れました。
技術部門の旧作業着は男女別のデザインでしたが、今回、同デザインとしました。
2.従業員の意見を採用した設計
ポリエステル100%の生地を採用。家庭での洗濯が可能な仕様とし手軽に手入れができるだけでなく、しわになりにくく、毎日の着用においても美しいシルエットを保ちます。さらに、すべてのアイテムに消臭テープを施し、常に清潔感を保ちながら、接客時のお客さまへの配慮と従業員の快適性を両立しました。
ポケットは無線機やチケットケース、ハンディ端末などの装備品に合わせて、使用頻度や動作を考慮し、最適な位置やサイズを従業員の意見を取り入れて設計しています。
シャツには脇下と肩に可動域を広げるマチを配置することで、指差喚呼や運転時の動作などの多様な動きにもスムーズに対応します。
パンツには腰内側にパワーネットを内蔵し、かがむ・立つといった反復動作の多い業務でも違和感なく動けるよう、ニット生地の伸縮性を活かした設計としています。
3.ネクタイはワンタッチで着脱可能
着脱のしやすさのほか、カスタマーハラスメント対策にも配慮しました。
4.ノーネクタイにも対応
シャツの前立てにブランドカラー(ファインレッド)のデザインを施し、夏場のノーネクタイでも品位を保持します。
2.コシノジュンコさんのコメント
南海電鉄の制服デザインのコンセプトは“UNITY”(結ぶ力・団結)としました。私にとってのユニフォームの原点は、地元・岸和田のだんじり祭りの法被。祭りで揃いの法被を纏い、ともに力を合わせることで生まれる強い絆と連帯感は、私の心に深く根付いており、その世界観を南海電鉄の制服に反映させたいと考えました。
また、制服は単なる仕事着ではなく、社員の誇りとモチベーションを高める重要な要素であると考えています。そのため、美しさだけでなく着心地の良さや動きやすさなど、機能性との両立も重視しました。
南海電鉄は今年創業140周年を迎え、2025年4月から泉北高速鉄道と統合し、新たな歴史を刻み始めると伺っています。この制服を着用することで、社員の皆さんが一体感を持ち、仲間とともに働く喜びを感じてもらい、さらなる力を発揮してもらいたいと願っています。
<コシノジュンコさんのプロフィール>
1978年から22年間パリコレクション参加。NY(メトロポリタン美術館)、北京、ベトナム、ポーランド、キューバ、スペインなどでショーを開催。国際的な文化交流に力を入れる。オペラやブロードウェイミュージカル「太平洋序曲」(トニー賞ノミネート)、DRUM TAOの舞台衣装、スポーツユニフォーム、花火やインテリアのデザイン等も手掛ける。
大阪・関西万博2025シニアアドバイザー、催事検討会議 委員、文化功労者。レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ、旭日中綬章 受章。
企業制服では、以下の実績あり。
2014年 大阪マリオット都ホテル
2019年 ハイアットリージェンシー東京ベイ
2022年 ロングライフホールディング株式会社
2024年 フジドリームエアラインズ(FDA)の客室乗務員の制服 他
3.旧制服のアップサイクルについて
旧制服のうち状態が良いものに関しては、リユース商品の販売やアップサイクルを検討中です。詳細が決まりましたら、改めてお知らせします。
南海電鉄グループでは、「南海環境ビジョン2030」に基づき、廃棄物の削減や資材の有効活用の促進など環境負荷の低減に取り組み、循環型社会の実現に貢献していきます。