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大阪商業大学で企画展「河内コットンへのいざない」 機織りの実演も

機織りを実演する河内木綿コットンクラブ代表の高橋聖子さん

機織りを実演する河内木綿コットンクラブ代表の高橋聖子さん

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 大阪商業大学商業史博物館(東大阪市御厨栄町4、TEL 06-6785-6139)で6月1日、企画展「河内コットンへのいざない」が始まった。

綜絖(そうこう)に縦糸(たていと)を張る作業を実演

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 主催する「河内木綿コットンクラブ」は、2004(平成16)年の大和川付け替え300年事業をきっかけに、河内の風土が生んだ河内木綿を再生しようと結成。現在は、石切劔箭(いしきりつるぎや)神社参道の「河内木綿はたおり工房」(東石切町3)を拠点に、綿の栽培から収穫、製品加工までを手掛けている。

 かつては全国に知られる一大産業だった河内木綿の繁栄を体感してもらおうと企画した同展では、大和川付け替え以前の河内絵図が描かれた河内扇や摂津・河内・和泉を中心に収めた古地図の複製、河内国若江郡長田村の栗山家に伝わる端午の節句に飾った河内木綿の武者のぼり、江戸時代の庄屋職を勤めた地域の家に伝わる木綿の紋付などを展示する。

 同館学芸員の池田治司さんは「筒描(つつがき)染めの武者のぼりは約200年前の物で、神功(じんぐう)皇后と武内宿禰(たけのうちのすくね)、のちの応神天皇を描いている。質素倹約の下、木綿で仕立てた紋付きは実用品のためあまり残っておらず、裏地に松竹梅の型染めがされているなどひそかにおしゃれをしていたことがうかがえる希少な資料」と話す。

 9月に開館する東大阪市文化創造館では、市内で作った綿を市内で織って制作した河内木綿ウォール(タペストリー)で壁面を装飾。同博物館収蔵資料にある「鶴丸牡丹唐草文様」を基に三重県白子町の型紙師が藍染型紙を制作。会場では、河内木綿はたおり工房が製作した80センチ×2.4メートルの河内木綿ウォールや型紙などを展示する。約1カ月かかるという制作工程もパネルで紹介する。

 目玉は、機織り機を持ち込んで行う実演展示で、同クラブ代表の高橋聖子さんが期間中の13時30分~14時30分、機織りを実演し、期間中に4メートルの河内木綿を織り上げる。実演時間中は高橋さん指導の下、機織り体験もできる。

 開館時間は10時~16時30分。日曜休館。入館無料。6月22日まで。

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