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東大阪市民美術センターで冬木遼太郎さん展覧会 若手アーティスト支援事業で選出

冬木遼太郎さん

冬木遼太郎さん

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 東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で11月20日、第4回若手アーティスト支援事業「冬木遼太郎 『それも美しい』『Difference is Beautiful』」が始まった。

会場の様子

 今回で4年目となる同センターの若手アーティスト支援事業は、大阪府周辺で作品制作活動をする30代までの個人・グループを公募し、選出した作家1人または1グループに展覧会開催の機会を提供するもの。今年は13人の応募があり、時空間や関係性をテーマとする作品を多く発表している冬木遼太郎さんを選出した。

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 冬木さんは1984(昭和59)年、富山県生まれ、幼少期は大阪で育った。京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2017(平成29)年は吉野石膏美術振興財団在外研修員としてニューヨークに滞在し、現在関西を拠点に活動している。

 同展は、戦中から戦後にかけて教育を受けた横浜に住む冬木さんの祖母との対話を始点に5点の作品で構成する。

 「美しい(メモ)」は、冬木さんの祖母が女学生の時に習った例文で、冬木さんとの会話で口にした「The cherry by the school gate on the hills as now」の英文がソファ上のコピー機からメモ用紙として印刷される作品。「コピーされたメモは祖母には重要だがほかの人には何ともないもの。それを肯定した作品」と冬木さん。

 「させ られ」は、旧満州で使われていた日本語の教科書に、戦後日本で使われた英語の教科書をはさみ込みスライドで投影した作品。「祖母が敵性語の英文を覚えているように、満州でも同じような人がいたのかなと思い制作した」という。

 桜の接ぎ木をかたどった「接ぎ木(コピー)」は、「自家受粉できない桜は接ぎ木や挿し木で培養される。それは『コピー』だ」とし、100円硬貨を入れてボタンを押す体験型展示「エンカウント」は、「お金は誰に対しても同じ価値を持つが、キャッシュレスが進む今、貨幣は不要で空虚なものになる」ことを表現する。最後は、作品の始点となった祖母との対話を記録した映像を流す。

 冬木さんは「物忘れがひどくなっている祖母が急に英語で話し出し、先生が好きとか風景とか、敵性語だけどなんか好きとか複雑なものがあり、記憶に残っているのが面白いと思った。一つのことがほかの人にとって別の価値を持つことが日常にたくさんあり、見ることで体験してもらえる展示になっている」と話す。

 11月30日は19時から、冬木さんが作品を解説するギャラリーツアーを行う。

 開催時間は10時~17時(11月30日は21時まで)。月曜休館。入場無料。12月1日まで。

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