企画展「押し花展」が現在、東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で開催されている。
東大阪市在住で「万葉(よろづは)押し花倶楽部(くらぶ)」代表の押し花作家・來田(らいた)容子さんと生徒の作品を展示する同展。來田さんは、幼い頃から押し花に興味があり、押し花インストラクターの資格を取って2000(平成12)年に教室を始めた。その後は東大阪市に講師登録をし、市民講座で22年間講師を続けているほか、12教室で押し花の魅力を発信し続けている。
來田さんの教室では、最初は押し花に慣れるため、押した花をそのまま花として使う作品作りをしているが、その後は生徒自身が制作したい作品のデザインを決め、來田さんが技法を指導する。來田さんは「遠近感や立体感を出すには画面の中心を何にするのかなど、絵画的なことを教えている」と話す。市民講座を終えて継続したい人や來田さんが教室を始めた時から20年以上通う生徒、今年から習い始めた90歳の人など、さまざまな人が教室に通っている。昨年、NHKの連続テレビ小説「らんまん」が放送されてから、生徒が増えたという。
会場には、來田さんと生徒の作品43点を展示。押し花でそのまま花を表現する作品もあれば、小さな押し花や葉を組み合わせて絵画のように仕上げた作品などもある。背景にはパステルや絵の具で色を付けたものや和紙などを使うものが多い。「お母さんからもらった着物地を使って、それに合わせた花で作品を作る人もいる。思い出の物を作品にできるのはうれしいと喜んでくれている」と來田さん。
作品には花だけでなく、マイタケや小芋、ゴボウなど、野菜や果物などの食材も使う。黒い色はナスの水分を抜いて使うが「うまく水気を抜かないと黒くならないので手間がかかる」という。
押し花の魅力について「花が好きだけど絵は描けない、でも押し花だったらなんとなくできそうというのがいいところでは」と來田さん。「植物が好きで、心が疲れている人、ほっとしたい人に見に来てほしい。押し花は標本しか知らないという人にも、植物を押して作品にすることを見てもらいたい。そして庭などで、作品に使われていた植物だな、と見つけてもらえたらうれしい」と話す。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入館無料。11月20日まで。