東大阪の児童劇団「FLAP TRIP(フラップトリップ)」が3月27日、オリジナルミュージカル「輪廻~RINNE~」公演を東大阪市立男女共同参画センターイコーラムホール(東大阪市岩田町4)で行った。
同劇団は2016(平成28)年、東大阪市立児童文化スポーツセンター ドリーム21(松原2)の劇団として活動を開始。即興演劇を使ったコミュニケーションワークショップや企業研修を提供するカクテルホイップ(加納)に運営・指導を依頼し活動してきたが、2020年10月、同館の指定管理者が変わり、その機会に合わせて民間団体として活動することに決めた。
同劇団では毎年1回、オリジナルミュージカルを書き下ろして公演を行っていたが、新型コロナウイルスの影響でこの2年間、本公演をできずにいた。同劇団では昨年11月にミュージカル創作ワークショップで児童らとともにストーリーを創造して6本の候補作品を作り、江戸時代に心中した2人の輪廻(りんね)転生を描いた作品に決めた。
作曲は音楽監督の歌島昌智さん、作詞は芸術監督の伽羅幸さんが担当した。これまでは、劇中で使われる曲のサビ部分だけを児童らが考えていたが、今回は8曲中、2曲を子どもたちで作り上げた。
小学4年時に入団し、一番在籍年数が長い中学2年の岸本璃々さんは「元は演技に興味がなかったが、お母さんに連れられて入った。恥ずかしがりやで人見知りだけど歌うことは好き。初めて公演をした時に、一人で頑張るのではなく、みんなで作り上げることがこんなに楽しいことなんだと思った」と入団当時を振り返る。今回の公演を終え、「自分以外のみんなに劇団ってこんなに楽しんだよって、難しい役だからこそ練習している時からそのことを伝えた。歌もちゃんと練習して、劇団員としての見本をみんなに見せられた」とやりきった表情を見せる。
初舞台を踏んだ小学6年の仲本鈴さんは入団の理由について、「アニメの声優に憧れていて、演技力がある方がいいと思っていくつかの劇団のオーディションを受けた。ほかにも受かった劇団はあったが、ここの雰囲気がほかと違って良かった」と話す。「公演に向け、入ったばかりでみんなのことをあまり知らないので、知れるように行動したり、演技をしたりする点を頑張った。演技力はまだまだだけど多くの人に見てもらえて、緊張したけどうれしい気持ち」と笑顔を見せる。
公演を終え、カクテルホイップ代表の北川優子さんは「ホッとしているのと、多くの方に普段と違う子どもの姿を見てもらえて良かった。発表会ではなく公演なので、見た人に喜んでもらい、何かを届けるということが今回の公演でできたので良かった」と話す。