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近畿大学情報学部棟に東大阪の町工場製品 照明器具や段ボール製ベンチなど

東大阪を中心とする町工場が連携して作り上げた「オンデマンドサロン」

東大阪を中心とする町工場が連携して作り上げた「オンデマンドサロン」

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 近畿大学東大阪キャンパス(東大阪市小若江3)に4月新設の「情報学部」の学部棟に現在、東大阪を中心とした町工場の特注家具が設置されている。

エントランスに設置するマツダ紙工業の段ボール製ベンチ

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 エントランスには、段ボールケースや段ボール家具を製造販売するマツダ紙工業(衣摺5)が手がけたベンチとスツールを設置。同社の松田和人社長は同大学の卒業生で、これまでにも子ども用遊具「トゥインクルテント」や、携帯型飛まつ対策ボード「ファイル Deガード」を同大学の学生と共同開発した経緯があったことから、半年ほど前に大学側から「地域の企業にエントランスのイスを作ってもらいたいと依頼があった」という。

 東京のデザイナーとともに開発したベンチは「強度にこだわった」といい、強化段ボールとツーウェイシートを使い、ウレタン塗装の上からレジン加工を施し、高級感のあるベンチに仕上げた。松田社長は「エントランスのガラスの外の風景と合うよう、岩をイメージしたデザインになっている」といい、esports Arena(イースポーツアリーナ)前にはイベント時に移動させやすいよう、立方体の軽いスツールを作った。

 松田社長は「1個ずつ手作りで、強度の面も防水の面も克服したいいものができた。企業のエントランス向け商品や、これから関西万博もあるのでSDGsの一環にもなる段ボール製品を作っていきたい」と意欲を見せる。

 1階のオンデマンドサロンは、東大阪を中心とした町工場8社が協力して作り上げた空間。建物に付属するスポットライトやパンチングメタルを使ったダウンペンダントライトなど、照明器具は全て盛光SCM(岸田堂西2)が手がけた。背面、座面をさかとういす(大阪市)が手がけたアームチェアには、布施金属工業(森河内東2)の職人が手で打って作った、厚さ5ミリ、1枚もののアルミのフレームを組み合わせる。

 長さ5メートル70センチの特注テーブルは、建築装飾金物を手がける野田金属工業(鴻池徳庵町)が製作。特注のラウンジテーブルは、ベース部分と組み立てを盛光SCM、天板仕上げを関西オカムラ(稲田上町2)が担当するなど、東大阪市内のものづくり企業が連携して製作した家具も設置する。バッグなどを収納するラックは、菱形金網を製造販売する共和鋼業(水走5)が手がけた。

 盛光SCMの草場寛子社長は「偏差値を競うのではなく起業家を育てる場として、学内外のハブになるスペース。職人技術のショールームの意味合いもある」と話す。

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