プレスリリース

【調査】管理職から見た“部下のAI活用”「ほとんど使用していない」40.3%、最大の課題は「AI活用のスキル格差」

リリース発行企業:ALL DIFFERENT株式会社

情報提供:




累計20,000社470万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞崎大輔)および「人と組織の未来創り(R)」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所(R)は、2026年8月19日〜9月2日の期間で、管理職614人を対象に「管理職意識調査」を行いました。本リリースでは、部下のAI活用や管理職が感じる課題について調査・分析した結果を公表いたします。

背景
少子高齢化に伴う労働人口の減少や慢性的な人手不足を背景に、企業は限られた人員で生産性を高め、持続的に成果を生み出すことが求められています。こうした中、業務効率化や新たな価値創出を後押しする手段として、生成AIへの期待が高まっています。文章作成や情報収集、データの入力・集計、報告書の作成など、幅広い業務でAI活用が進み、日常業務を支える身近なツールになりつつあります。

こうした状況を踏まえ、本調査では、職場におけるAI活用の実態や課題、成果を明らかにするため、管理職を対象に部下のAI活用について調査しました。活用頻度や企業規模による違いに加え、部門目標の達成度や部下の成長との関係、管理職が感じている課題を分析し、企業がAIを成果創出にどのように生かすべきかを考察します。
調査結果の概要
- 部下のAI活用頻度、「頻繁」「時々」は合計で半数以上、「ほとんど使用していない」は約4割
- 規模が大きい企業ほど、部下のAI活用が進む傾向
- 部下のAI活用頻度が高いほど、部門目標を達成している傾向
- 部下のAI活用頻度が高いほど、部下が成長していると感じる傾向
- 部下のAI活用に関する課題、最多は「AI活用スキルに個人差が大きい」
- AI活用が進むほど、信頼性の確認やスキル差、思考力低下への課題意識が高まる傾向
- 考察「AI時代に企業や管理職に求められること」




調査結果の詳細
1. 部下のAI活用頻度、「頻繁」「時々」は合計で半数以上、「ほとんど使用していない」は約4割
初めに、課長クラス以上の管理職(以下「管理職」)に、部下が日常的に業務でどの程度AIを活用しているかを質問しました。

結果、「頻繁に使用している」は13.1%、「時々使用している」は43.0%となり、両項目を合わせると56.1%と、半数以上が日常業務でAIを使用していることがわかりました。一方、「ほとんど使用していない」は40.3%、「わからない」は3.6%でした。職場によってAI活用状況に差があることがわかります(図1)。



2. 規模が大きい企業ほど、部下のAI活用が進む傾向
次に、図1の結果を従業員数による企業規模別に比較しました。結果、規模が大きい企業ほど、部下のAI活用が進んでいる傾向が見られました(図2)。



3. 部下のAI活用頻度が高いほど、部門目標を達成している傾向
続いて、部下のAI活用頻度別に、部門の目標達成度を比較しました。

「毎年、部門目標や部門計画を達成している」と回答した割合を見ると、部下はAIを「頻繁に使用している」と回答した管理職では62.5%、「時々使用している」と回答した管理職では41.4%でした。

一方、「ほとんど使用していない」では34.7%、「(使用しているのか)わからない」では5.0%となりました。部下のAI活用頻度が高い管理職ほど、毎年、部門目標を達成していると回答した管理職の割合が高い傾向が見られました(図3)。



4. 部下のAI活用頻度が高いほど、部下が成長していると感じる傾向
さらに、部下のAI活用頻度別に、管理職が部下の成長度合いをどのように捉えているかを比較しました。

結果、部下はAIを「頻繁に使用している」と回答した管理職の84.7%が、部下は「非常に成長している」「成長している」と回答しました。部下のAI活用頻度が低くなるほど、部下は「非常に成長している」「成長している」と回答する割合が低くなりました。部下のAI活用頻度と、部下への成長実感に相関関係がありました(図4)。



5. 部下のAI活用に関する課題、最多は「AI活用スキルに個人差が大きい」
次に、部下のAI活用に関して、管理職がどのような課題を感じているかを質問しました。結果、「AI活用スキルに個人差が大きい」が27.9%で最も高くなりました。次いで、「内容の妥当性・信頼性の確認が不十分である」が22.7%となりました。AIの利用環境が広がりつつある一方、メンバーによって使いこなす力に差があり、出力された情報を適切に検証する力にも課題があることがうかがえます。

また、「特に課題は感じていない」も25.4%と約4人に1人を占めており、管理職の課題意識に幅があることがわかりました(図5)。



6. AI活用が進むほど、信頼性の確認やスキル差、思考力低下への課題意識が高まる傾向
最後に、部下のAI活用頻度別に、管理職が感じている課題を比較しました。結果、部下がAIを「頻繁に使用している」と回答した管理職ほど、「内容の妥当性・信頼性の確認が不十分である」「AI活用スキルに個人差が大きい」「AIに依存し、思考力が低下している」の回答割合が高くなりました。

一方、部下がAIを「ほとんど使用していない」「わからない」と回答した管理職は、「特に課題は感じていない」と回答する割合が高くなりました(図6)。



まとめ
本調査では、部下がAIを「頻繁に使用している」「時々使用している」と回答した管理職は合わせて56.1%となり、半数以上の職場でメンバークラスのAI活用が進んでいることがわかりました。一方、「ほとんど使用していない」は40.3%で、AI活用の状況は企業や職場の間で差が見られることもわかりました。また、規模が大きい企業ほど、AI活用が進んでいることがわかりました。

さらに、部下のAI活用頻度が高い管理職ほど、「毎年、部門目標や部門計画を達成している」「部下が成長している」と回答する割合が高い傾向が見られました。部下がAIを「頻繁に使用している」と回答した管理職では、62.5%が毎年部門目標や部門計画を達成していると回答し、84.7%が部下は成長していると回答しました。

一方、部下のAI活用に関する課題では、「AI活用スキルに個人差が大きい」が27.9%で最多となりました。部下の活用頻度が高い管理職ほど、「内容の妥当性・信頼性の確認が不十分」「AI活用スキルに個人差が大きい」「AIに依存し、思考力が低下している」といった課題を挙げる割合が高く、活用の広がりとともに、成果物の質やAI活用能力に関する課題が顕在化していることが見受けられました。
考察「AI時代に企業や管理職に求められること」
AIは一部の先進的な企業や社員だけが利用するツールではなく、日常業務を支える手段として、多くの職場に浸透し始めています。本調査では、部下がAIを使用していると回答した管理職は半数を超え、一方で「ほとんど使用していない」と回答した割合も約4割を占める結果となりました。また、企業規模が大きいほど、AI活用が進む傾向も見られたことから、導入環境や活用機会は企業規模により差があることがうかがえました。

また、部下のAI活用頻度が高い管理職ほど、部門目標を達成し、部下が成長していると捉える割合が高い傾向が見られました。背景に、AIの活用によって、情報収集や資料作成などの効率が高まり、より付加価値の高い業務に時間を充てられるようになったことなどが考えられるでしょう。

一方、活用が進む職場の管理職ほど、「内容の妥当性・信頼性の確認が不十分」「AI活用スキルに個人差が大きい」「AIに依存し、思考力が低下している」といった課題への意識も高まっています。これは、AIを活用する職場ほど問題が多いということではなく、実務での利用が増えたからこそ、成果物の質や社員間のスキル差など、導入前には見えにくかった課題が顕在化していると考えられます。
<今後、企業に求められること>
今後、企業には、AIの利用を促進するだけでなく、「AI活用の質」を高める取り組みが求められます。操作方法やプロンプト作成のポイントを学ぶ機会に加え、AIの回答をうのみにせず、目的や根拠に照らして妥当性を検証し、最終的に適切に判断する力を備えた社員を育てることが必要です。

業務の目的を的確に把握するスキル、適切に情報を収集・整理するスキル、様々な要素を考慮したうえで決断を下す力など、AI時代だからこそ、より求められる根幹的なスキルのことを、当社では「バイタルスキル(R)」と呼んでいます。こうしたスキルを階層や習熟度に応じて体系的に育成しなければ、AIの活用により業務処理の速度が高まったとしても、十分に検証されていない成果物が増え、管理職の確認・修正の負担が高まり、かえって組織全体の生産性を損なうおそれがあります。

同時に、管理職には、部下のAI活用状況を把握し、成果物の質を高めるためのフィードバックを行う役割が求められます。生成AIの進化が加速する中、管理職自身も新しいマネジメントを学び続ける必要があります。そのうえで、どのような業務でAIを活用し、どの段階で人が確認・判断するのかを明確にすることが重要です。企業は、管理職が活用状況に応じた指導・評価・業務設計を学べる環境を整え、組織として安全かつ効果的なAI活用を支えることが求められます。


ALL DIFFERENT株式会社
事業開発推進本部 コンテンツマネジメント部 ユニットリーダー
宮澤 光輝(みやざわ・こうき)

東京大学卒業後、ALL DIFFERENT (旧トーマツ イノベーション/ラーニングエージェンシー)に入社。コンサルタントと研修講師を兼務し、サービスの企画・開発、研修講師育成、中堅〜大企業に対して研修の企画・提案および実施などをはじめとした人材育成支援に従事。複数の全社プロジェクトでプロジェクトリーダーを担当。現在はサービスの企画・開発チームのリーダーとして、対面研修、オンライン研修などの新サービスの企画・開発、研修講師育成を担う。研修講師としては公開講座や企業内研修等で、OJT指導者向け、管理職向けの研修を中心に年間100回以上実施。



調査概要

*本調査を引用される際は【ラーニングイノベーション総合研究所「管理職意識調査2026(部下のAI活用編)」】と明記ください
*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています
*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます

ラーニングイノベーション総合研究所(R)
「人と組織の未来創り(R)」に関する様々な調査・研究活動を行っている当社研究機関。データに基づいた組織開発に関する解決策を提供。

ALL DIFFERENT株式会社
組織開発・人材育成支援を手掛けるコンサルティング企業。
人材育成から、人事制度の構築、経営計画の策定、人材採用までの組織開発・人材育成の全領域を一貫して支援。

《沿革》
2006年 トーマツイノベーション株式会社として人材育成事業を開始し、業界初や特許取得のサービスを多数開発・提供
2019年 株式会社ラーニングエージェンシーとして、デロイトトーマツグループから独立
2024年 ALL DIFFERENT株式会社へ社名変更

■代表取締役社長 眞崎 大輔
■本社所在地   
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-7-1
有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F
■支社      中部支社、関西支社
■人員数     333人(2026年4月1日時点)
■事業      
組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施
■サービス    
定額制集合研修「Biz CAMPUS Basic」/ライブオンライン研修「Biz CAMPUS Live」/ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」/ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」/IT技術習得支援サービス「IT CAMPUS」/デジタルスキル習得支援サービス「DX CAMPUS」/管理職アセスメント「Discover HR」「Competency Survey for Managers」/人事制度構築支援サービス「Empower HR」/経営計画策定支援サービス「Empower COMPASS」/転職支援・人材紹介サービス「Biz JOURNEY」/採用支援・人材紹介サービス「Biz TALENT Bridge」ほか
■URL       https://www.all-different.co.jp/corporate

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