精密金属切削加工を手がける永田製作所(東大阪市東上小阪)が6月1日、本社近くにNC自動旋盤専門の新第2工場(若江西新町5)を開設した。
3代目社長の永田弘さん(以下、永田社長)の祖父・永田新太郎さんが1956(昭和31)年、ミシン用のねじや軸類の製造販売を手がける同社を創業。後に、複合機の部品製造を経て、複合機と同じ紙送りの機構を使うATMや券売機用の部品を作るようになり、現在は商社向けのものなど、さまざまな金属部品の加工を手がける。
創業当時、本社工場の周りは田んぼと紡績関係の工場だったが、次第に住宅が増えたため24時間稼働ができず、騒音や臭いなどの問題もあった。2代目社長の永田敏雄さんには工業地域に移りたいという思いがあったが、新しい紙幣や硬貨に変わるタイミングで繁忙期が訪れるため、一から工場を建てる間もなく、貸し工場の空きを見つけては工場を増やし、4つの工場で製造していたという。
永田社長は「これまでも新工場の候補地は探していたが、いい場所が見つからず、モノレールの延伸で東大阪市内の地代は上がり、一から建てるとなるとかなりの金額になると諦めかけていたが、4年前に過去最高の売り上げを達成し、再び、創業の地、ものづくりのまち東大阪で新工場の場所を探し始めた。その矢先に父が死去し、『自分が絶対にやらないと』と探していたところ、本社から近いこの場所が空いた」と経緯を話す。
約250坪の新第2工場には、4拠点に分散していた設備と新たに購入したものを合わせ、23台の機械が並ぶ。新工場ではNC自動旋盤による切削加工を行い、本社工場では2次加工、研磨、検査・出荷業務を行う。2階には、これまでなかったセミナールームやキッチンを備えた食堂などを整備した。
「本社工場では18時ごろには機械を止めていたが、ここでは24時間動かせるので増産体制が取れる。スペースにまだ余裕があるので、大型の機械や高性能の機械の導入タイミングも図っていきたい」と永田社長。「工場を集約したことで従業員同士のコミュニケーションが取りやすくなり、モチベーションアップにもつながっていると実感している。整理整頓も行い、製品の管理もしやすくなった」と話す。
「東大阪の同業の町工場は、高齢化による後継者不足、原材料高騰などで廃業をするところも多く、安心して仕事を任せてもらえる体制づくりが求められている。祖父も父も人との縁で助けてもらったので、困っている人や技術を必要としている方々のために存分に力を出し、ウィンウィンの関係を築いていきたい。まだあと32年あり、自分の代では難しいかもしれないが、100年企業を目指して次につなげていきたい」と意気込む。