企画展「浮世絵展~浮世絵にみる風景と暮らし~」が現在、東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で開催されている。
企画した1級建築士の小原公輝さんは、住まい再生を通じて地域活性を図る団体「河内いえ・まち再生会議」の理事長を務める。同団体は、建築家や大学教員、地域文化誌編集者らが理事となり、古民家や空き家の再生を中心に、地域の歴史や暮らしの研究、街並みの保存や世代間交流の活動拠点を作るための整備、調査、研究を行ってきた。
同展は、解体されることになった古民家に残されていた浮世絵の資料を小原さんが引き取り、「当時の人の営みや建物の様子が分かるので多くの人に見てもらいたい」と企画。昨年は「木曽街道六十九次」をテーマに開いた。
今回取り上げる歌川広重の「東海道五十三次」は、江戸・日本橋と京都・三条大橋を結ぶ東海道にある53の宿場を描いた風景画。会場では、浮世絵の複写に小原さんによる解説文を添えて展示する。小原さんは「『37 赤坂・旅舎招婦ノ図』は旅籠(はたご)の雰囲気がよく分かる作品で、左の部屋では寝転んで一服している客に女性がお膳を運んでくる様子、右の部屋では飯盛り女が化粧に余念がない様子が分かる。『46 庄野・白雨』は夕立が降り、ござをかぶる人と駕籠(かご)をかく人が坂を必死に上り、反対に坂を駆け降りる2人を描いている優れた名作」と解説する。
小原さんは「道をテーマにした続き絵は、海外では見当たらない珍しいもの。日本の当時の風景や庶民が生活している姿を想像してほしい。私たちは今、急速な社会の変化に翻弄(ほんろう)され、こうした美術を生んでいたことを忘れがちかもしれない。東海道五十三次を見直すことで、人間の存在や社会生活、コミュニケーション、自然環境を見渡し、これからの芸術と風土との相関関係まで思いを広げてもらえたらうれしい」と話す。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入場無料。6月14日まで。