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東大阪繊維研究所、重量級の頑丈なTシャツ開発 「モノを大切にする楽しさを」

エップヤーンの筒井利彦社長

エップヤーンの筒井利彦社長

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 ニット糸メーカー「エップヤーン」(東大阪市菱江2、TEL 072-968-8615)が5月15日、自社のTシャツブランド「東大阪繊維研究所」の新商品「ペルー超長綿モンスターオンスTシャツ」の先行販売をクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で始めた。

チャコールとネイビーの2色展開

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 国内外の大手アパレルメーカー向けにニット製品用の糸を提供する同社。2017(平成29)年、「百貨店で販売するニットに使う糸で生地を作れば、いいTシャツができるのでは」と、高品質Tシャツブランド「東大阪繊維研究所」を立ち上げた。

 Tシャツの型崩れや縮みの原因は、糸がねじれようとする力によるもので、同社では創業以来、ねじれをゼロにコントロールする「ゼロトルク撚糸(ねんし)」の技術を磨き、丈夫で型崩れせず、着心地のいいTシャツ作りを目指してきた。

 昨夏、岡山県で28オンスのジーンズを作っているメーカーがあると知ったことをきっかけに、「素材の良さを贅沢に感じてもらえるTシャツを作りたいと常々考えていた。Tシャツは薄くて軽いと着心地が良いとされることが多いが、私たちの考える贅沢は28オンスのジーンズに近いのではないか」(エップヤーン)との思いから、13.5オンスの頑丈で着心地の良いTシャツ作りに挑戦することにしたという。

 一般的には7オンス以上の生地がヘビーオンスと呼ばれるが、今回の生地は13.5オンスと分厚い。同社では「モンスターオンス」という独自の階級で呼ぶ。筒井利彦社長は「13.5オンスがどれぐらいの厚さかというと、Tシャツ約2枚分でスウェットに近い厚さ。厚さ5センチのステーキを食べるぜいたくをイメージし、食パンでいうと2枚切りぐらい。着心地を極限まで良くした鎧(よろい)のようなTシャツ」と説明する。

 同商品は、ゼロトルクの糸で型崩れを防ぎ、表面に炎が当たっても燃え広がりにくく、引っかいても糸のほつれを起こしにくいなど、布の強度に力を入れる。動きやすさを重視したデザインで極厚の生地が体型をカバーし、両脇には大きなポケットを付ける。糸、生地作り、縫製は、全て日本国内の工場で行う。

 筒井社長は「私たちのサスティナビリティはいたってシンプルで、ものを大切にする、そのために大切にしてもらえるものを作る。自分たちが『これって良いよね』と思っていることを皆さんに『分かる』と思っていただけるかを聞きたいし、『めっちゃ分かる!』と共感してもらいたくてクラウドファンディングに挑戦した」と振り返るとともに、「今回一番伝えたいことは『モノを大切にするのって楽しいですよ』ということ。私自身、ものを長く使い込むことが好きなので、今回のTシャツもできるだけ長く着られるように私たちの持っている技術、知識、アイデアをすべて詰め込んだ。この思いに共感してもらえる方には支援をお願いしたい」と呼び掛ける。

 サイズは、メンズS・M・L・2Lで、カラーはチャコールとネイビーの2色展開。価格は1万9,800円。6月25日までクラウドファンディングを公開し、7月に生産を開始する。

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