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東大阪のDIY専門商社「和気産業」創業100年 生活者目線で売り場づくりを提案

(左から)メディアプロモーション室の新井萌日さん、同室長の鈴木加代子さん、総務人事部の辰巳佳余子さん

(左から)メディアプロモーション室の新井萌日さん、同室長の鈴木加代子さん、総務人事部の辰巳佳余子さん

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 DIY用品専門商社「和気産業」(東大阪市南上小阪)が7月17日、創業100周年を迎えた。

社員がDIYで手がけたショールーム

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 1922(大正11)年、大阪市福島区で家庭金物卸問屋「和気商店」として和気信行さんが創業した同社。1967(昭和42)年にカナダで開催されたモントリオール万国博覧会のイギリス館でDIYをする親子のディスプレーを見た、当時専務だった和気博史さんが「これから日本でもDIYがはやるだろう」と、当時「日曜大工」と言われていたDIYの商品取り扱いを開始。日本にDIYを広めていくきっかけとなった。

 同社によると、日本にホームセンターが登場したのは1972(昭和47)年。その後、ホームセンターの数が増えてきたため、同社も順に営業所や商品センターを開設したという。当時は同社がDIYの指導や、DIYとは何なのかを伝える役割を担っており、「日曜大工センター開店マニュアル」の作成なども手がけた。当時の日曜大工センターは業務用の量が多い商品が多かったため、同社では、一般向けに小売りパックやフック掛け商品を作ったり、商品に説明書を付けたりするなどした。

 1973(昭和48)年からは、これまで業務用として販売されていた商品の色や形を変えるなど、メーカーと共同開発し、一般向けのプライベートブランド商品を発売。メディアプロモーション室長の鈴木加代子さんは「今も生活者の要望に合わせて商品を広げているが、メーカー色を強く出すより商社としてメーカーをつなぐ方が会社の性格上楽しい」と話す。他社は、建材であれば建材専門の商社が多いが、同社は常時在庫約4万種類、取り寄せ可能商品も含めると約12万種類と幅広く扱っているのが強みで、「この商品を求めている人は、この商品とこの商品を一緒に使うと使いやすい」と、さまざまなメーカーの商品と自社商品を組み合わせた売り場構成を提案する。

 「商社ではあるが一般消費者との関係を持ちたい」と2004(平成16)年、商品の使い方やDIYが楽しくなるような提案をする「e-MONOマガジン」の発行を開始。2014(平成26)年には、社員が改装し、ショールームを兼ねたイベントルームを本社に設置し、他企業の素材を使い、社員が企画したワークショップなども行う。ツイッターでの情報発信はメディアプロモーション室、ユーチューブは、やりたい社員が誰でも動画を投稿できるようにし、フォロワー数や再生回数などの目標は立てず楽しくやっているという。

 鈴木さんは「昔は危機感を持って成長分野を見据えていたが、今は好奇心を持って面白いことを探していくと結果につながるのでは。今後どんな時代になるか分からないが、地道に、ほかのことに手を出さず、人が自分で何かを作ることを軸に時代の要望をいち早く取り入れて応えていきたい。次の100年は会社にいる誰も生きていないが、そこに思いをはせてやっていきたい」と話す。

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