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大阪府立中央図書館で自然史博物館巡回展 キノコ標本や図鑑原画を展示

ヤブレベニタケの標本

ヤブレベニタケの標本

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 大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)で4月17日、大阪市立自然史博物館巡回展「きのこ!キノコ!木の子!~きのこから眺める自然と暮らし~」が始まった。

本郷次雄教授の標本ノートと図鑑原画

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 同展は、大阪市立自然史博物館(大阪市東住吉区長居公園)で7月下旬から始まる夏の特別展のプレ展示。自然史博物館で収蔵する標本や研究資料と、中央図書館所蔵の貴重書や関連書籍で構成する。

 自然史博物館からは、オオシロカラカサタケやイボテングタケ、キヒダタケなど、フリーズドライで保存し、キノコの生の姿がよく分かる標本を展示。致死性のあるカエンタケや長居公園にも発生する巨大なまんじゅう型のオニフスベ、色は毒々しいが強毒はないというヤブレベニタケなども並ぶ。ガの幼虫から発生したサナギタケやセミの幼虫から発生したツブノセミタケなど、昆虫から生える冬虫夏草は壊れやすいため、押し花のようにして保存。種類によってさまざまな技法で作られた標本を展示する。

 資料では、「原色日本菌類図鑑」「原色日本新菌類図鑑II」(保育社)など、数多くの図鑑の編者として知られる滋賀大学名誉教授・本郷次雄さんの標本ノートを展示。本郷教授は写真を撮るのではなく、その場で半日ほどかけ観察しながら実物大のキノコを正確にスケッチ。描くことによって特徴を捉えて論文を書いていたという。会場では直筆のノートを、ケント紙に学童用の水彩絵の具で色を付けた図鑑の原画と共に展示する。中央図書館の資料では、19世紀の貴重書「薬用植物図譜」を展示し、パネルでは、街中で見かけるキノコや冬虫夏草、落ち葉の上などに広がる変形菌などを解説する。

 21日には関連イベントとして、自然史博物館学芸員の佐久間大輔さんと大阪府営箕面公園昆虫館の中峰空館長が自然科学の魅力をテーマにしたトークイベントを開催。「なぜ自然科学の道を歩んだのか」「博物館で働く面白さ」などをテーマに話す予定で、終了後はギャラリートークを開く。開催時間は14時~15時30分。参加無料。

 「その気なく来て、今までキノコに目を向けてなかった人に興味を持ってもらえたら」と佐久間さん。

 開館時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜、5月1日・10日休館(4月30日は開館)。5月13日まで。

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