
近畿大学東大阪キャンパス(東大阪市小若江3)内の学生が経営するラーメン店「KINDAI Ramen Venture 近大をすすらんか。」の4代目店主の店が4月2日、オープンする。
「KINDAI Ramen Venture 近大をすすらんか。」の営業は、近畿大学が学生に起業の機会と飲食店経営の実践の場を提供し、大学全体で起業家精神を醸成しようと、2021年10月に始めた起業支援プロジェクトの一環。業種は学生に人気のあるラーメン店に限定し、毎年度、学内で店主を募集している。選考会では、試食審査、事業計画のプレゼンテーション審査を行い、独創性、計画性、学生食堂としての需要などを総合的に審査し、次年度の代表者を決める。
大学が、店の初期設備、ガス、水道料金を負担し、学生は、電気代、共益費、原材料費、消耗品費、スタッフの人件費を負担する。四半期ごとに経営報告し、2期連続で赤字の場合は撤退となる。出展期間は最長1年。初代と2代目店主は現在、学外でラーメン店を経営しており、3代目は今月卒業し、5月にラーメン店をオープンするという。
4代目に就任したのは、国際学部国際学科3年の岡田帝乙(てお)さん。岡田さんが考案したメニューは、「近大みそまぜそば」(600円)で、同店では、初代店主が考案した「近大まぜそば」、2代目の「近大魚介塩まぜそば」(以上、500円)、3代目の「近大油そば」(600円)と合わせ4種類のまぜそばを提供する。「近大みそまぜそば」について、岡田さんは「こく深さとまろやかさが特徴で、男性女性どちらにも好まれる味。今は近大まぜそばが売り上げ一番なので、それを超えるような商品を作りたいと思い開発した」と話す。
岡田さんは同店の新事業として、露店とキッチンカー営業に意欲を見せる。「他大学や駅前、商業施設、イベント会場、地方にも出店していきたい」と岡田さん。露店やキッチンカーの設備は売り上げから捻出するほか、4月からクラウドファンディングサイトで資金調達を始めるという。「夏休みは学内の店舗が閉まるので、その期間にいろいろなところを回れたら」と意気込む。
学内店舗の基盤強化については、特典を付けるポイントカードの発行やLINEでのクーポン配信、新規顧客獲得に向けたTikTok運用を新たに始め、リアルタイム情報を発信する既存のインスタグラムアカウントの更新も行うという。1年間200日の稼働で売り上げ金額2,400万円を目指す。
岡田さんは「先輩方が積み上げてきたものなので、先代の顔に泥を塗らないように私自身がちゃんと経営して5代目に引き継げるようにしたい」と意気込む。