特別展「写真展 星野道夫 悠久の時を旅する」が7月17日、東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で始まった。
星野さんは1952(昭和27)年、千葉県市川市生まれ。慶應義塾大学1年時に神田の古本屋街で出合った写真集「ALASKA」に掲載されていたシシュマレフ村の空撮写真に魅せられ、村長に手紙を出したところ返事が届き、1973(昭和48)年の夏、シシュマレフ村で狩猟生活を営むイヌイットの家族の家で3カ月を過ごした。大学卒業後は写真家の助手を2年間務め、1978(昭和53)年にはアラスカ大学野生動物管理学部に入学。以降、アラスカの自然と人々をテーマに写真と文章を記録し、発表していたが、1996(平成8)年8月、カムチャツカ半島で取材中にヒグマに襲われ急逝した。
同展では、星野さんがアラスカで取材活動をする原点となった写真集「ALASKA」から、亡くなる直前まで撮影していたカムチャツカ半島での写真まで、星野さんの写真や言葉、愛用したカメラなど、161点の資料を5つのテーマで紹介し、星野さんの旅路をたどる。
プロローグでは、アラスカに滞在させてほしいと星野さんがシシュマレフ村の村長宛に書いた手紙と村長から届いた手紙、初めてシシュマレフ村に滞在した時に撮った写真などを展示。第1章では北極圏のさまざまな動物をテーマに、季節ごとに生息地を群れで移動するカリブーやヒグマの一種のグリズリー、世界最大のシカ類のヘラジカ、鳥類、ホッキョクグマ、タテゴトアザラシなどの写真が並ぶ。同センター学芸員の豊嶋乃女さんは「ドローンなどもない時代にテントを張り、動物が現れるのを根気強く待ってさまざまな動物の姿を捉えている」と解説する。
第2章は星野さんがアラスカで出会った人々をテーマに、先住民の長老や猟師、クジラ漁の様子を収めた写真を展示。第3章は、1年の半分は氷点下50度にもなる冬だが、植物や森、オーロラなど、アラスカの季節の移ろいを捉えた写真を集めた。第4章はワタリガラスの神話をたどる旅、第5章は、アラスカの狩猟民族のルーツを求めて赴いたシベリアで撮影した写真が並ぶ。1階では、図録やグッズを販売する。
7月25日14時からは学芸員によるギャラリートーク、8月22日14時からは星野道夫事務所代表の星野直子さんによるスライド・トーク「悠久の時を旅する 星野道夫が見続けた風景をたどって」を行う。
豊嶋さんは「気候変動、野生動物と人間の関係といった、自然と人間の関わりを意識せざるを得ない時世。星野さんは自然に対して善悪では測らない、フラットな目線でその中に飛び込んでいって自然を見つめた方だと思うので、こういう世の中だからこそ、改めて星野さんのまなざしを通して自然と人間の関わりについて思いをはせてもらえたら」と話す。
開館時間は10時~17時。月曜休館。観覧料は、一般=1,000円、東大阪市内在住65歳以上・高校生=500円、中学生以下無料。8月30日まで。