作家・司馬遼太郎さんの命日（2月12日）を前に1月27日、司馬遼太郎記念館（東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860）が菜の花の装飾で彩られた。

ガラス回廊には切り花を飾る

　司馬遼太郎さんが野に咲く菜の花が好きだったこと、作品に「菜の花の沖」という小説があることなどから2月12日の命日を「菜の花忌」と命名。2001年11月に同館が開館し、翌年の命日前後にはガラス回廊に菜の花を飾った。2004年には記念館周辺の人々やボランティアらの協力で、近隣の学校や駅周辺に菜の花を植えたプランターや鉢を設置するようになり、約2000世帯に種を配布。同年7月には記念館の提唱に応え、自治会や病院、商店街などから成る「春一番に菜の花忌の会」が発足した。「街に菜の花を咲かせよう 2.12菜の花忌」運動は、花を通じて街を美しくすることや、街に関心を持ってもらいたいとの願いも込める。

　今年の参加団体は、自治会、学校、商店街、大阪府、東大阪市、郵便局など42団体。27日には布施高校の学生が訪れ、司馬さんの書斎前にプランターを並べた。同館のガラス回廊には鹿児島県指宿市から贈られたものなど、切り花約700本を飾る。28日には、同館周辺や街中にプランターが並べられ、近鉄奈良線の河内小阪駅・八戸ノ里駅から同館までの道筋を示す「菜の花ロード」が登場した。今年は、館内に約300、周辺の街中に約1650の鉢植えやプランターが並べられる。

　「今年は断続的な寒さで開花が遅いが、命日にかけて咲くのでは」と上村洋行館長。菜の花は3月下旬ごろまで楽しめるという。

　命日の2月12日14時からは、司馬さんの人となりや現在開催中の企画展「翔ぶが如く－西郷隆盛をめぐるひとびと」などについて語る館長トークを開き、来場者には菜の花を進呈する。

　開館時間は10時～17時。月曜休館（祝日の場合は開館し翌日閉館）。入館料は、大人＝500円、高校・中学生＝300円、小学生＝200円。