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東大阪・旧河澄家で稲脇秀子さん創作人形展 150体で幻想的な世界表現

最新作「琵琶の音」

最新作「琵琶の音」

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 東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で現在、稲脇秀子さんの「創作人形展」が開催されている。

作品「ピエロが街にやってきた」

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 1947(昭和22)年、大阪生まれの稲脇さん。40年前、「夫が空けたウイスキーの瓶で何かできないか」と紙粘土を貼り付け、独学で人形の制作を始めた。1982(昭和57)年には、大阪府羽曳野市にある自宅の地下を改装し、アトリエ「House Gallery INAWAKI」を設立して人形教室を開講。以降、教室で教えるほか、自宅アトリエでの個展やギャラリー、ホテルでの展覧会などに作品を出品している。

 入り口近くには、最新作という琵琶を持った女性の人形を展示。衣装や楽器も手作りで、「衣装はテーブルクロス、帽子はブックカバー、アクセサリーは自分が使っていたアクセサリーをリメークしたもの。新しい布を購入してもアンティークの雰囲気が出ないので、自分の洋服などを使って作っている」と話す。人形がはいているデニムは藍染めのもの、レースやガーゼは自身で気に入る色に染めるなど、衣装にもこだわりを見せる。

 土間を上がったスペースには、昨年開いた展覧会用に制作した作品「ピエロが街にやってきた」を展示。「ヨーロッパの街の広場にサーカスがやってきた」というイメージで制作したもので、中央には回るメリーゴーラウンドを配置し、その回りにはサーカスの動物や人、サーカスを楽しむ街の人など約80体の人形と建物などで街を表現した。「これまでは人ばかり作っていたが、このときに初めて動物も作った」と稲脇さん。同作品の制作時は「長い日で1日17時間ほど制作していた」といい、「最初は1体の人形から作り始めるが、どんどんアイデアが湧いてきて街になった」という。

 座敷には、江戸時代の街やパリの大道芸人、ハロウィーンの妖精など、幅広いテーマでこれまでに制作した作品を展示。

 人形作りの魅力について、「作っているときはしんどいが、できたときが一番うれしい。魂を込めて作ったものは完成したときに感動できる」と稲脇さん。「自宅アトリエは中世ヨーロッパをイメージしており、今回の会場は旧家なのでいつもと違った雰囲気を楽しんでいただける。手作りの衣装や小物なども見ていただければ」と話す。

 開館時間は9時30分~16時30分(最終日は13 時まで)。月曜休館。入場無料。4月16日まで。

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