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東大阪市庁舎で河内木綿企画展 はた織り実演、旭堂南青さんの講談も

はた織りを実演する河内木綿はたおり工房代表の中井由栄さん

はた織りを実演する河内木綿はたおり工房代表の中井由栄さん

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 東大阪市役所本庁舎22階市民ギャラリーで9月15日、「河内木綿の今、むかし、これから はた織り動く展示」が始まった。

金綜絖に縦糸を張る作業

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 同ギャラリーの有効活用を考える団体「東大阪22会」が主催する同展。昨年5月に東大阪市の歴史をテーマにしたパネル展を開き、今回はその中の一つのコンテンツだった「河内木綿」にスポットを当てた展示とした。

 河内地方一帯では約400年前ごろから綿が植えられ、1704年の大和川付け替え後は良質な綿が収穫されるようになり、糸が太く丈夫な河内木綿は全国に知られる一大産業となった。しかし明治時代に入ると紡績機が導入され、安価な糸や輸入綿が入るようになり綿作は衰退していった。

 2004年に開かれた大和川付け替え300年事業をきっかけに、「河内の風土が育んだ河内木綿を再生したい」と、伝統技術の復活と継承を目的とした「河内木綿コットン・クラブ」が発足。現在は、石切劔箭(いしきりつるぎや)神社参道の「河内木綿はたおり工房」を拠点とし、綿の栽培から収穫、製品加工までを手掛けている。

 会場では、河内地方の古地図や河内木綿の歴史、河内木綿コットン・クラブ発足から河内木綿はたおり工房設立までの活動を紹介するパネルを展示。テーブル上には、綿繰り機や紡ぎ機、古布を参考に、クチナシ、ビワの葉、ドングリ、藍で染めた糸を使った河内木綿の反物などを展示する。

 河内木綿はたおり工房代表の中井由栄さんは「反物を展示するだけでは『へぇー』というだけで終わってしまう。動いていないと足を止めて見てもらえないのでは」と、工房から機織り機を持ち込み実演する「動く展示」を提案。初日は420本の金綜絖(かねそうこう)に縦糸(たていと)を張る作業を披露した。会期中に幅40センチ、長さ4メートルの反物が完成する予定で、毎日違う工程を見ることができる。実演は毎日11時~15時。

 17日には、上方講談師の旭堂南青さんをゲストに迎え、大和川付け替えの功労者である中甚兵衛(なかじんべえ)と河内木綿を題材にした演目を披露。開催時間は14時~15時。参加費1,000円。会場は22階「スカイラウンジ」。

 開催時間は10時~17時。入場無料。今月25日まで。

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